クアラルンプールからシンガポールへ。飛行機という手もありますが、あえてバスで移動するという選択肢があります。ただの移動も、途中でマラッカに一泊する行程にすれば、”消耗”ではなく”体験”に変わります。
これは2025年7月、実際にクアラルンプールからマラッカを経て、シンガポールまでバスで縦断した記録です。
この記事で分かること:
- クアラルンプール→マラッカ→シンガポールのバス移動ルートの全体像
- チケットの買い方と、発着場所選びの注意点
- マレーシア・シンガポール国境通過の実際の流れ
- 実際にかかった費用と所要時間
- マラッカで一泊する行程を「旅」にするためのコツ
なお、クアラルンプールからシンガポールへの移動方法を飛行機・直行バス・鉄道・マラッカ経由で横並びに整理した比較記事もあります。所要時間や費用を見比べたい方は、「クアラルンプールからシンガポールへ移動|直行バス・飛行機・鉄道・マラッカ経由を徹底比較」も参考にしてみてください。
また、クアラルンプールでの2泊の記録は「クアラルンプール滞在記 2025|黒バクテー・ローカルカフェ・10年前のバー」にまとめています。KLセントラルを拠点にした滞在の組み立て方や、TBSからマラッカへ向かう朝の流れも、そちらで確認できます。
結論
クアラルンプールからシンガポールまで、バス移動は十分に現実的です。そして直行よりも、マラッカで一泊するほうが、”旅”としては断然おすすめです。国境も、流れさえ理解していれば不安はありません。
所要時間まとめ(実体験ベース)
| 区間 | 所要時間 | 補足 |
|---|---|---|
| KL → マラッカ | 約2時間 | TBS(Terminal Bersepadu Selatan)発 Melaka Sentral着 |
| マラッカ滞在 | 1泊 | 観光含む |
| マラッカ → シンガポール | 約5時間 | 国境手続き含む Melaka Sentral発/Queen Street着 |
| [参考]合計の国境通過 | 約30分 | 混雑次第 |
直行とマラッカ経由の比較
| ルート | 時間 | 費用 | 体験 |
|---|---|---|---|
| マラッカ経由 | 1泊2日 | S$ 35 + 宿泊費 | 旅になる |
| 直行バス | 約7時間 | S$ 14~27 | 移動のみ |
| 飛行機 | 約4時間 | S$ 30~45 | 忙しい |
クアラルンプール→マラッカ→シンガポールの全体像

Google Mapによると、クアラルンプールからマラッカを経てシンガポールまでは約400km。地図上の走行時間は約6時間ですが、国境通過などを含めると、実際は7時間前後になります。飛行機でも、空港への移動を含めれば4時間ほどです。
「あれ、それなら直行でいいのでは?」——そう思いながらも、どうせなら移動そのものを”旅”に変えてみたくなりました。中学の教科書で習った「マラッカ海峡」を、この目で見てみたい。それが、今回バス旅でマラッカ経由を選んだ理由です。
チケットの買い方
今回利用したのは、BusOnlineTicket.com。
出発地・目的地・日付を入れるだけで、バス会社(バスの写真つき)・出発時刻・発着場所・料金・レーティングが一覧で表示されます。


注意点①:発着場所を必ず確認する
クアラルンプール側は、TBS(Terminal Bersepadu Selatan)や、Berjaya Times Squareとその隣のLaLaport Bukit Bintangなどから選べます。ホテルからの距離で決めるとよいでしょう。私は宿の都合でTBSを選びました。
マラッカ側にも複数あります。Melaka Sentral、Jasin Sentral Bus Terminal、Terminal Merlimauなど。間違えるとホテルから遠くなるので注意が必要です。
1日目:クアラルンプール→マラッカ
マラッカまでのお供に選んだのは KKKL Express。料金は15RM(2025年7月)です。マラッカをゆっくり堪能したくて朝10:30発のバスにしたのですが、ホテルで思ったよりくつろいでしまい、電車に間に合わず……。結局Grabで向かうことになり、15.45RM。こういう失敗も、旅の一部ということにしておきます。
TBS(Terminal Bersepadu Selatan)でのバスの乗り方
Grabで着いたのはBandar Tasek駅。電車で着いたときと同じく、陸橋を渡ってTBSへ向かいます。

陸橋を歩いていくと、自動ドアの絵が面白いエントランスがお出迎え。

ターミナルはかなり大きく、まるで鉄道の駅のようです。ちなみに、ここは2階にあたります。

各社のチケットカウンターもあり、その場で買うこともできるようですが、私たちのような外国人は、オンラインで買っておくほうが無難でしょう。

注意点②:gopassのQRコードつきチケットは発券不要
私が買ったのはQR付きのチケットでした。この「gopass」と書かれたQRコードがあれば、発券せずにそのままバスに乗れます。便利です。


バス乗り場は1階なので、エスカレーターで降ります。ゲートごとにエスカレーターが異なるので、ここは注意してください。

いざ搭乗
QRコードをスキャンして待合ラウンジに入ります。

ラウンジは、想像していたよりもずっと広く奥まで見通せないほどの空間でした。

売店も完備しているので、少し早めに着いても時間を潰せます。私は時間に余裕がなく急ぎましたが、TBSの2階にも売店やレストランらしきものがあったので、余裕のある方はそちらを使うのもありです。

そして搭乗。ゲート1から乗り込み、乗降口でもう一度QRコードをスキャンします。

ご対面したのは、なかなかしっかりしたバスで一安心。中国製でしょうか。1人−2人仕様で結構広々、シートはややふかふかです。大きな荷物は、一般的なリムジンバスと同じように床下へ格納できます。たっぷり積めるので、長旅でも安心です。


そして高速道路へ。マラッカに向けて出発です。

マラッカ到着
バスが着いたのは、いかにも東南アジアらしい空気のターミナル、Melaka Sentral。

マラッカの中心部からは少し離れていて、マレー語も分からないので、ここからはGrabで移動します。ただし、Grabの乗り場はタクシー乗り場とは別なので注意。うろうろしていると、たぶん親切なおじさんが教えてくれます。Melaka Sentralからホテルまでは23分、RM10.30でした。
Casa Del Rio MELAKA
今回の宿泊先として選んだホテルは、Casa Del Rio Melaka

コロニアル調の建物は、まるで宮殿のよう。部屋からはマラッカ川を一望できます。大人の旅にぴったりの一軒です。部屋はDeluxe River View Hollywood Twin Roomにしました。

バスルームは、バスタブ・シャワールーム・洗面台・トイレがセットになっていて、バスタブの向こうにベッドルームが見えます。


トイレは東南アジアによくあるタイプですが、清潔でした。

ハリウッドスタイルのつくりなので、部屋には段差があります。

バルコニーからは、マラッカ川が見えました。

落ち着いたところで、さっそくお昼ご飯へ。14時を回ってお腹はぺこぺこ、7月後半のマラッカの昼はなかなか暑い。あまり粘らず、ジョンカーストリート方面へ少し歩いてすぐのThe Baboon Houseで、遅いランチにしました。

頼んだのはビールとハンバーガー。生のクラフトビールでなかったのは少し残念でしたが、味はおいしい。店内もおしゃれでした。

ランチのあとは、メイン通りのJonker Walkを少し散策。暑さのせいか、人通りはまばらです。

東南アジアの気候に慣れているとはいえ、大人の体にはやはり堪えるので、いったんホテルへ戻って休息。急ぐ必要はありません。
夕方まではプールサイドでのんびり過ごしました(プールの終了時間は少し早めなので、ご注意を)。

夜はJONKER WALKへ
マラッカの夜のお楽しみは、Jonker Walkの屋台です。昼間は閑散としていたのに、夜になると人で賑わいます。広場では素人のカラオケ大会が開かれていたりして、どこか中華風のノリ。

たくさんの屋台のなかで目を引いたのが、Crab Burger(RM6)。蟹肉包と聞いて肉まんのようなものを想像したのですが、まるで別物。大きな蟹玉がバンズの上にのった、不思議な食べ物でした。

そのあとはJonker Walkを歩いて、お待ちかねのビールへ。Geographér Café のハイテーブルで、ビールの瓶がいい汗をかいています。

部屋に戻って就寝――といきたいところですが、深夜まで外で音楽が鳴っていて、少しだけ眠りを妨げられました。

2日目:マラッカ→シンガポール
2日目の朝は早起きをして、マラッカの中心部を散策しました。東南アジアでは昼間が暑いので、観光は早朝がおすすめです。

念願だったマラッカ海峡も、セント・ポール教会へ向かう途中で見ることができました。

ホテルの朝食は、館内のレストランで。ビュッフェスタイルのものと、個別にお願いできるものがあり、私はカヤトーストをいただきました。

ここまでのマラッカ観光については「マラッカ観光ガイド|クアラルンプール→シンガポール移動途中の1泊2日の小さな旅」を参考にしてください。
シンガポール行きのバスのチケットも、クアラルンプール→マラッカと同じようにBusOnlineTicket.comで手配しました。
注意点③:乗降場所の選定が鍵
マラッカからシンガポールのバス選びは、なかなか複雑です。
マラッカ側は、到着時に使ったMelaka Sentralに加えて、ホテルの前から出ているバスもあります。これは便利。ただしホテル前発のバスは利用者が多いので、時間に余裕をもって手配しておくのがよいでしょう。私は……間に合いませんでした。
シンガポール側は、降りる場所がたくさんあります。たとえばWoodland Checkpointを選ぶと、シンガポールに入ってすぐ降ろされてしまうので注意。よく確認しましょう。

私はQueen Streetまでのバスにしました。DT22 ジャラン・べサール駅(Jalan Besar MRT Station)の近くで、降りてからの移動が便利だったからです。シンガポールの宿に行きやすい場所を選ぶのがおすすめです。選んだバス会社は707 Inc、MelakaからQueen Streetまで S$24(2025年7月)でした。
2回目のバス搭乗
ホテルからMelaka SentralまではGrabで、18分・RM8.24。朝なので、少し早く着きます。
今回のチケットはQRコード付きではなかったので、チケットカウンターで引き換える必要があります。カウンターへの行き方はとても分かりやすく表示されていて、安心でした。ゲートへの入口は二手に分かれていますが、中で繋がっているので、あまり気にしなくてよいようです。

カウンターはそれほど混んでいませんでした。ボーディングパスの発券には現金RM0.70が必要です(2025年7月)。メールに添付されたPDFを提示する準備をしておきましょう。


ターミナルには飲食店やコンビニがあるので、余裕を持って早めに着いておくのがよいでしょう。

ゲートを抜けて待合ラウンジへ。クアラルンプールのときと同じく結構広いですが、椅子は少なめでした。

注意点④:出発ゲートのチェック
バスの準備状況によって出発時刻やゲートが変わるので、時刻表はしっかりチェックしておきましょう。私の利用したバスも、ゲートがC-14からE-20に変更になりました。

さて、バスとご対面。マラッカまでのバスより、内装がかなり派手です。カラオケでもやりそうな雰囲気。

今回は途中のサービスエリアで休憩がありました。アナウンスや旅程表に記載がないので「?」となりましたが、トイレ休憩でしょう。Google Mapで確認すると、Yong Peng Lay-by southboundとなっていました。

トイレや売店があり、売店は3つあるのに売っているものが同じという不思議。

14時を回って小腹が空いたのでチキンバーガーを買ったのですが……他のものを選んだほうがよさそうです。

この後2時間ほどバスに揺られていると、高速を降りたバスが、何やら建物の中へ吸い込まれていきます。そう、ここから出国・入国が始まります。
注意点⑤:出国・入国は流れにまかせる!
Johor Bahruの国境に着くと、いきなりバスから降ろされます。そのため、
- パスポートなど必要なものは手持ちのバッグに準備し、いつでも降りられるようにしておく
- バスを降りた場所には戻らないので、どのバスに乗ってきたか確実に記録しておく
- 降りたら、人の流れに身を任せれば大体大丈夫
マレーシア出国
Johor Bahruのボーダーコントロールの情報を持たず、漫然とバスに乗っていたら、いきなり降りることになって、ものすごく焦りました。周りの人は軽装で、どんどん降りていきます。
バスに預けた荷物はどうなるのか——不安になりつつも、手荷物を持って降りるしかありません。
そして、バスを降ります。

降りたら、前の人たちについて歩いていきます。あとから見ると、案内もちゃんと出ているのですね。

人の流れについて、エスカレーターを登っていきます。

すると、乗ってきたバスが目の前を通り過ぎていきました。このときは降車と乗車の場所が別々だと知らず、不安しかありません(笑)。

エスカレーターを上がったところに「Woodlands(シンガポール側)」と案内が出ているので、それに従って歩きます。大きな分かれ道はここだけ。あとは人の流れについていけばOKです。

出国手続きが終われば、マレーシア出国です。「Departure Platform」の案内に従って進みます。

そして、乗ってきたバスと再会。色やナンバープレートを覚えておく必要がありますね。

このとき気づいたのですが、バス自体もボーダーコントロールを通るため、移動しなければならないのですね。
バスに乗り、橋を渡ります。さよならマレーシア。対岸はもうシンガポールです。

そして、とうとうシンガポール入国。残念ながらWoodlandsのシンガポール側では写真撮影が禁止のため、写真はありません(撮ると軍人さんに怒られます)。
マレーシア側でいわばリハーサルを済ませているので、Woodlandsの入国で焦ることはありませんでした。同じようにバスを降り、入国手続きをして、再びバスに乗ります。
ここまでのマレーシア(Johor Bahru)とシンガポール(Woodlands)の国境通過について、実際の手続きや所要時間は「マレーシア→シンガポール国境をバスで越える方法|Johor Bahru→Woodlands完全ガイド」で詳しく説明しています。あわせてどうぞ。
そして再びバスに揺られ、ようやくQueen Streetに到着。5時間の旅でした。クアラルンプールからマラッカを経て、シンガポールまでの2日間のバス旅、お疲れさまでした。

よくある質問
- バスは国境で待ってくれますか?
-
待ってくれますが、迷子にならないように、色やナンバーを覚えておくと安心です。
- 荷物はどうなりますか?
-
私が乗ったバスの場合、出国(Johor Bahru)では手荷物だけを持って降り、大きなスーツケースは床下に残したままでした。入国(Woodlands)では、スーツケースを含めたすべての荷物を持って降りています。乗降や荷物の扱いの詳しい流れは「マレーシア→シンガポール国境をバスで越える方法|ジョホールバル→ウッドランズ完全ガイド」にまとめています。
- 国境ではどれくらい時間がかかりますか?
-
混雑次第ですが、今回はマレーシア出国(Johor Bahru到着)からシンガポール入国(Woodlands出発)まで、約30分程度でした。
- 直行バスとマラッカ経由、どちらがおすすめ?
-
急ぐなら直行。時間に余裕があるならマラッカ経由がおすすめです。旅の密度がまったく変わります。
この旅で訪れた主なスポット
| 名称 | エリア | カテゴリ | メモ |
|---|---|---|---|
| TBS(Terminal Bersepadu Selatan) | クアラルンプール | バスターミナル | KLセントラルから電車で約20分。出発1時間前到着が無難 |
| Melaka Sentral | マラッカ | バスターミナル | マラッカ中心部から少し離れた場所。Grab移動が現実的 |
| Casa Del Rio Melaka | マラッカ旧市街 | ホテル | コロニアル調の宿。マラッカ川沿いの絶好のロケーション |
| The Baboon House | ジョンカーストリート近く | カフェ・ランチ | バーガーとビールの遅いランチに |
| Jonker Walk(昼) | マラッカ旧市街 | 散策 | 昼間は人通りまばら。早朝散策とのコントラストが楽しい |
| Jonker Walk Night Market | マラッカ旧市街 | 夜市 | Crab Burger(蟹肉包)が印象的。週末の夜が賑わう |
| Geographér Café | ジョンカーストリート | バー | 屋外ハイテーブルで冷えたビールを |
| マラッカ海峡を望む(セントポール教会前) | マラッカ旧市街 | 観光 | 早朝の散策で立ち寄れる。教科書で習った海峡を実際に見られる |
| Yong Peng Lay-by southbound | マレーシア高速道路 | サービスエリア | マラッカ→シンガポール便のトイレ休憩ポイント |
| Johor Bahru CIQ | マレーシア国境 | 出国手続き | バスを降りて人の流れに従う |
| Woodlands Checkpoint | シンガポール国境 | 入国手続き | 写真撮影禁止。淡々と流れに乗る |
| Queen Street Bus Terminal | シンガポール(Bugis近く) | バスターミナル | DT22ジャラン・べサール駅近く。ホテル移動が便利 |
この旅のまとめ
クアラルンプールからシンガポールまでのバス移動は、時間的にも経済的にもアリの選択です。さらにマラッカ経由は、十分に価値のある”旅”としての選択肢になります。急がなければ、移動そのものを旅にできるのですね。
実際の所要時間や費用を比較したい方は、「クアラルンプールからシンガポールへ移動|直行バス・飛行機・鉄道・マラッカ経由を徹底比較」も参考にしてみてください。
国境越えの具体的な手順・所要時間・注意点は、 「マレーシア→シンガポール国境をバスで越える方法|ジョホールバル→ウッドランズ完全ガイド完全ガイド」 で詳しく解説しています。バスを降りてからの流れ、荷物の扱い、再乗車までの動きを、実体験ベースでまとめました。
シンガポール到着後の4日間の記録は、「シンガポール滞在記 2025|定宿・バクテー・チャンギ東側。4日間の記録」にまとめています。チャイナタウンの定宿を拠点に、バクテー・ニョニャ料理・ムスタファ、そしてチャンギ東側まで足を延ばした滞在の記録です。

