Ducati 1098S レストア記 Day13|片持ちのタイヤ交換、SPTADAO浅草へで新しいタイヤを組んだ。次はリアハブまわりの作業に入る。
チェーンは見るからに交換が必要だったので、取り外しとあわせてリアハブの清掃・グリスアップまでを済ませてしまう。この作業はブレーキ系のオーバーホール(Day9〜Day11)と並行して進めていたものだが、合間にマレーシアやシンガポールに出かけていた時期と重なり、実作業はずいぶん間延びした。
本来であればハブダンパーやベアリングも交換すべきだが、まずは車検取得が最優先だ。状態を確認したうえで、今回は経過観察にとどめる判断とした。
チェーンを切る
チェーンの切断は、やること自体は自転車と変わらない。工具をチェーンに固定して、ピンを押し出すだけだ。

今回は「かし丸君」を購入した。チェーンが多少動くので工具が不安定になるが、不安要素はそれくらいだ。あっさりとピンが抜けた。


ハブナットとスプロケットを外す
まずピンを抜き、Day9で導入したインパクトレンチを使ってハブナットを外す。ここは力の要る箇所だが、インパクトがあれば一瞬だ。続けてリアスプロケットも取り外す。

ハブダンパーとアクスルシャフト
スプロケットを外すと、裏側にハブダンパーが見える。偏りは見られないが、ゴムの経年硬化は避けられないだろう。いつか交換する前提で、今回は記録だけ残しておく。

スプロケットが外れれば、ブレーキディスクが付いたアクスルシャフトが引き抜ける。シャフトに目立った傷や段付きはなかった。

サークリップという小さな難関
リアキャリパーサポートを固定しているスナップリング。これを外すのに手こずった。

開く距離が大きいのに加え、かなりの力が要る。道具がないとこの状況から先に進めない。WORKPRO スナップリングプライヤー 4本組のうち軸用を使い、力を入れてなんとか外した。クリップが外れると、リアキャリパーサポートがそのまま取り外せる。

取り外しでこれだけ苦労するということは、取り付けはもっと大変だということだ。その予感は後で的中する。

エキセントリックハブを引き抜く
エキセントリックハブを固定しているボルト2本を抜き、ハブを引き抜く。プラスチックハンマーで叩いて抜く方法もあるが、隙間に薄いプラスチック片などを差し込んで少しずつ押し広げるほうが、傷をつけずに済む。

内側はかなり汚れていた。スイングアーム側に穴が開いており、走行中にそこから砂や水が入り込むようだ。加えて、一部にバリが残っていた。新車時の加工痕か、使用中にできたものかは分からないが、いずれにしてもこのまま戻すわけにはいかない。

清掃とグリスアップ
取り外したパーツを軽く洗浄し、エキセントリックハブの内側は入念に清掃する。バリはやすりで削り落とした。


グリスは箇所によって使い分けた。
- エキセントリックハブ内側 → ベルハンマー GOLD(潤滑性能を重視)
- Oリング → シリコングリースメイト(ゴムを侵さない)
- ハブダンパー → シリコングリースメイト(ゴムの劣化を少しでも遅らせる狙い)
- ネジ部 → モリブデングリス PRO732K(焼き付き防止)

ハブダンパーへのシリコングリス塗布は気休めかもしれないが、交換を見送る以上、できることはやっておきたい。
組み付け——サークリップは嵌めるほうがもっと大変だった
清掃とグリスアップを終えたら、逆の手順で組み付けていく。

問題は、予想どおりサークリップの取り付けだった。外すときに使ったWORKPROでは開く力が足りない。トネ(TONE)のスナップリングプライヤ SRPS-200(ストレートタイプ・軸用、対応径40〜100mm)を追加導入して、ようやく嵌めることができた。

嵌めた後は、ハンマーで軽く叩いてクリップが溝にしっかり落ちているかを確認した。走行中に外れたら大事だ。ここは慎重すぎるくらいでちょうどいい。

シャフト類にもベルハンマーを塗布して戻す。リアスプロケットを取り付け、ハブダンパーにシリコングリスを塗って組み付ける。ネジ部にはモリブデングリスを使った。

スイングアームもできる範囲で清掃したので、見違えるほど綺麗になった。ハブボルトの本締めは、新しいチェーンを組み付ける際にまとめて行う予定だ。

次は細かい作業
リアハブまわりの清掃と組み付けはこれで完了した。ハブダンパーとベアリングは将来の課題として残るが、現状では問題なさそうだ。
次回はカーボンアンダーカウルと、前バンクの熱対策などのちょっと細かい作業を。

