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GRAY FLAG挑戦記 第2話|自主練と、運命の3月26日

GRAY FLAGタイムアタック風景

第1話の最後で予告した、自主練の記録だ。

伊藤さんとの次のトレーニングまで、時間がある。この間に何をするかで、結果は変わるだろう。現在はほぼゼロに近い状態なので、やるだけ上達するはずだ。やらなければ、当然何も変わらない。

今回はその約2週間をどう過ごしたか、という話だ。情報整理・インプット・アウトプット——要するに、限られた時間でPDCAを回せるかどうか、ということになる。

目次

まずデータを積む。スプレッドシートとビデオ分析

最初にやったのは、情報の整理だ。

第1話でも書いたが、もてぎのコースをほとんど知らない。そこで、もてぎのコース図を調べ、コーナーがいくつあるかから確認した。前回の顔合わせで伊藤さんから教わったブレーキングポイントや各コーナーでの注意事項、そして感じた事を記憶から掘り起こし、スプレッドシートに書き出す。どれだけ正確に運転中の記憶があるかのチェックにも役立つ。そして記憶があいまいな部分は、顔合わせのときに撮影していたビデオを見返しながら補った。抜け漏れを防ぐためにトレーニングの時は、必ずビデオに撮るのが良いだろう。

GRAY FLAG挑戦記 第2話 もてぎ コース攻略 ブレーキングポイント スプレッドシート 大きいフォント

指導者がいない場合は、YouTubeやWeb、雑誌などから情報を取集するのが良いだろう。生成AIを使う場合はハルシネーションに注意が必要だ。

コソ練、はじめました

D.D.R AKIBA本店

トレーニングの合間に、ひとりでD.D.R AKIBA本店に行くことにした。いわゆる「コソ練」だ。
前記事でしっかり紹介していなかったが、場所は東京都千代田区外神田3-11-2 ロックビル5Fにあって、ビルの入り口はこんな可愛い看板娘が迎えてくれる。

GRAY FLAG挑戦記 第2話 D.D.R AKIBA本店 入り口 看板 レーシングシミュレーター 秋葉原

5階着くと、魔界への入り口が開いている。

GRAY FLAG挑戦記 第2話 D.D.R AKIBA本店 5階 入り口 シミュレーター専門店

中は様々なシミュレーターが所狭しと置かれています。

D.D.R AKIBA本店 店内

コソ練1回目:36秒台 老眼で文字が小さすぎて読めない

今日の目標は明確に決めていた。①コースを覚えること。②シミュレーター筐体に慣れること。タイムを縮めることは、その先にある話だ。ただ、コースを覚えてもタイムがまったく変わらないのはさすがに少し寂しい。だから③可能であれば2秒ほど縮めること、という目標も添えておいた。

50分ほど練習した結果は36秒台。コースへの慣れは少しずつ感じたが、まだブレーキが踏めていない。シフトダウンもぎこちない。「予定通り」という言葉でまとめるのが正確なところだ。

GRAY FLAG 挑戦記 最初に使った レーシングシミュレーター

ただ、ひとつ想定外のことがあった。

スプレッドシートをA4に印刷して持参したのだが、文字が小さすぎて読めない。コーナー名もブレーキングポイントも、老眼の目には厳しい文字サイズだった。シミュレーターの前に座って気づいても、もう遅い。ブレーキングポイントのフォントをかなり大きくして、この日の気づきをスプレッドシートに追記した。上に掲載している写真はフォントを大きくした後のもの。

今までを見返して思ったことは、トレーニング中はどんな時でも映像を残しておくと良いということ。人の記憶は曖昧なので、映像は役にたつ。そして、可能な限り喋ること。人間の短期記憶なんて高が知れているので、喋ることによって映像に記録を残すのが良いだろう。

1回目のトレーニング|レーシングシミュレーター変更という洗礼

顔合わせから1週間後、1回目のトレーニングが始まった。コソ練の成果は出るのか、という気持ちで臨んだのだが、最初から予想外のことが起きた。

「筐体を変えましょう。こちらの方が操作系が重くて、実車の練習に向いています。これでちゃんと乗れれば、実車は楽になりますよ」

伊藤さんから開口一番にそう告げられた。確かに顔合わせの時に、機材の説明でそういう話をされていたが。心の中では「えー、聞いてないし、いきなりは止めてよ」という声が上がったが、逆らっても仕方がない。

やはり違う。ブレーキの重さ、ペダルの位置、すべてが別物だ。コソ練で少しだけ慣れてきたつもりの感覚が、全く役に立たなかった。前回といい、今回といい、壮大な空振りで予習がダメになる。練習後半になると足の力が落ちてきて、ブレーキが徐々に長くなっていく。また2時間近いトレーニングの後半は集中力を保つのも苦労していた。まだ、運転している感覚ではなく、スイッチのように機械的に操作しているだけ。余裕も感覚もまだない。

タイムは33秒台。コソ練のときより進んでいる。これは前進と呼んでいいのか、まだわからない。

コソ練2・3回目|イメージトレーニングという発見

コソ練2回目:31秒台、映像の使い方

1回目のトレーニングのとき、伊藤さんが走っているところをビデオで撮影させていただいた。ブレーキングポイントや走行ラインを正確に把握するためだ。この映像を見返しながら、スプレッドシートをさらに詳細に更新する。なおシミュレーター映像を撮影する際はアクセル開度やブレーキ踏力が見える側(アセットコルサの場合は左側から)から撮影することをお勧めする。

また、このビデオを何度も何度も見返せば、脳や目が慣れて上達するだろうということで、映像を切り出しループさせスマートフォンで閲覧していた。シミュレーターがなかった頃は、イメージトレーニングをしていたという話なので、ある意味外部からの強制イメージトレーニングのようなものだ。

だが、悲しいもので老眼の自分にはスマートフォンの小さい画面で、コーナーの看板を見るのはなかなか辛かった。そこでiPad miniの登場だ。これは快適。動画をYouTubeで限定公開し、ループ再生させておけば、無限ループでトレーニングができる。

そしてふと気がついた、iPadを両手に持って、伊藤さんと同じタイミング・同じ角度に動かせば、目と手のフィードバックループができることを。これは良い。実際にタイミングがよくわかるようになる。そして、反応速度を上げるため、1.5倍速や2倍速で練習すると、通常スピードでの処理に余裕がでてくる。

iPad miniをレーシングシミュレーターに イメージトレーニング ループ再生で効率倍増

この日の練習では、顔合わせで使った操作感が軽い方の筐体しか空いていなかった。指定の機材で慣れることが本来の目的だったが、コースの確認と感覚のチェックに切り替えた。ブレーキングでタイヤやサスペンションがどう反応するか、という感覚はまだまったくわからない。シミュレーターとはそういうものなのか、とも思う。

タイムは31秒台。もう少しのところまで来た。

コソ練3回目:32秒台、機材に慣れることが今日の目的

翌日、再びDDRへ。今日は指定の筐体——操作系が重い方——に集中する日だ。

ただ、40分待たないと空かなかった。待つ間、「予約をしないと時間がもったいない」という現実を思い知る。次からは予約を入れることにしよう。

重い操作系の筐体にはまだ慣れない。タイムより機材に慣れることが今日の目的なので、ストレートでのフルブレーキとシフトダウンの練習を繰り返した。1〜2周フルで走って、タイムは32秒台。前日の31秒台より悪い数字だが、これは予想どおりだ。お店のスタッフさんから「今日はタイム更新はありませんでしたね」と言われたが、気にならなかった。それより、ブレーキが抜けてしまう方が問題だ。

コソ練終了後もiPadトレーニングは継続した。

3月26日、運命のタイムアタック

本番当日、少し早めに会場に着いた。伊藤さんと合流する前に、コソ練0.1回をやってブレーキに少しでも慣れておこうと思ったのだ。

そこで衝撃の情報が入ってきた。

「実は今回からパドルシフトでもOKになりました」

ハンドシフト限定だとばかり思っていた。一番上達が遅かったのがシフトダウンだっただけに、これは正直ありがたい情報だった。とはいえ、ここまでハンドシフトで練習してきた手前、いきなり切り替えるのも惜しい気がして、コソ練0.1回はハンドシフトで実施した。

D.D.R AKIBA本店 難しい方のレーシングシミュレーターでGRAY FLAGのタイムアタック

伊藤さんと合流し、「まずパドルでどこまでやれるかを試してみましょう」、ということになった。でも左足ブレーキは禁止。パドルシフトのアバルトでは左足ブレーキで、左ハンドル・ハンドシフトのフェラーリは右手でシフトだ。そう、実は今まで全く普段の操作系と違っていたのだ。走り始めると、確かにシフトダウンに神経を使わなくなった分だけブレーキングに集中でき、ある程度指定のブレーキングポイントでブレーキを終了できるようになった。パドルで走ると、30秒台が出た。

「GRAY FLAGのタイムアタックとしては、十分なタイムが出ています。それよりも実車に近い練習をしましょう」

伊藤さんからそう言われ、以降はハンドシフトに戻して練習を続けた。31秒台。1秒は失っていたわけだ。

ここで、私のグレイフラッグ向けタイムアタックは終了した。

あとは待つだけ

31日の締め切りまでに、10位以内に残れるかどうか。お店のスタッフさんは「最終日あたりに速い人がこぞってくると思います」と言っているので、どうなるか心配だが、私のチャレンジはすでに終了している。待つしかない。

やれることはまだあっただろうが、準備できることはした。コースを覚え、ビデオを何度も見返し、重い筐体で練習した。ブレーキングポイントのフォントも大きくした(笑)。それがどこまで実を結んでいるかは、結果が教えてくれる。

4月3日、オーディションがリモートで行われ、通過できれば、話は次のステージへ進む。

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