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4輪レース挑戦記 第5話|富士スピードウェイ ライセンス取得と、雨で上がった閾値

富士スピードウェイのピット、初めての4輪サーキット走行

2026年4月27日、富士スピードウェイ

4輪レース挑戦記 第4話|オーディションを通過した後、GRAY FLAGとは関係ないのだが、初めての4輪サーキット走行を、富士スピードウェイ(FSW)でのライセンス取得と兼ねて行った。4輪レース挑戦記 第3話|生成AIとコース習熟に書いた通り生成AIによる予習は機能せず、代わりに伊藤講師の指導のもと、D.D.R秋葉原のシミュレータで約1時間走り込んだだけだ。その付け焼き刃の記憶を、本物の車と本物の路面で照らし合わせる時間が始まる。

ただし、その前に天気予報は雨。

目次

今日の課題

事前に自分なりに整理していた課題は次の通りだ。初めてなので、あまり欲張らずに行く。

  • ライセンスを取得すること
  • コースに慣れること
  • スピード感に慣れること
  • ヒール&トゥができることを確認すること
  • 可能であれば、シミュレータで練習したことが再現できること
  • シミュレータとの違いを体感すること

雨の東名、晴れの富士

朝の東名高速は予報通りの雨で、前が見えないほどの降りだった。特にAbarth 595 Competizioneはホイールベースが短いのでこういうシチュエーションは苦手だ。でも、新しいミシュラン パイロットスポーツがいい感じで安定していた。スピードを落とし、車間を取り、それでも視界の悪さに身構えながらハンドルを握り続けた。これでは午後のサーキット走行どころではない、と何度も思った。

ところが、申し込み時間前にFSWに到着すると、富士は晴れていた。

雨上がりの富士スピードウェイ、晴れた空

もしや晴れ男かもしれない、と一瞬本気で思った。この時点でサーキットには100人以上の晴れ男・晴れ女がいたことになる。

ライセンス取得手順

事前準備

オンラインで申し込んでおけば写真などは不要で、印鑑だけ持参すればよい。申し込み書は事前に書いていくか、当日に用紙をもらって書く。最も大事なことは、受付終了時間までに到着することかも。それぐらい簡単。

ゲート〜受付までの道順

富士スピードウェイに着いたら、ゲートを通過しT字路で左手に現れるトンネルを抜けて坂を上ると、ピット裏に出る。受付は一番左の建物にある。

富士スピードウェイのゲートを潜ったらBRIDGESTONEのゲートを越えて
看板に出くわすので左に曲がる
Moty'sのトンネルを超えて坂をあがると
ピット裏に出ます

受付

ピットの左隣の建物の1階が受付になっている。用紙をプリントアウトしていなくても貰える。

富士スピードウェイの受付建物の中、ライセンス申し込みの様子

支払い方法

クレジットカードで支払えるので、現金を沢山持っていく必要はない。

ライセンス関連の支払い方法は様々

講習会場

受付を済ませたら、ピット上2階のブリーフィングルームに向かう。階段を上り切ると行き止まりだ。途中に2階への入り口があるので注意。

ピット上2階のブリーフィングルームへ続く階段

ライセンス講習を終える

受付を済ませてから、ピット上2階のブリーフィングルームに上がった。約2時間の講習を終えると、ライセンスが交付される。私の場合は、無償の体験走行を行った後で受け取る流れになった。

ピット上2階のブリーフィングルーム

講習内容はシンプルで淡々と進む。本当にコースを安全に走るための基本を教えてくれる。

無償体験走行

サーキットホテル宿泊者向けの体験走行枠があり、ライセンス申請者は無償で参加できるそうだ。私は交付の前にこの枠をAbarth 595 Competizioneで走った。

サーキットホテル宿泊者向け体験走行枠、さまざま車が待機
サーキットホテル宿泊者向け体験走行枠を走るAbarth 595 Competizione

初めての4輪、ピットでの準備

午後、いよいよ初めての4輪でのサーキット走行。緊張する。

走行券はオンラインで購入できる。ライセンスの申し込みをした場所にQRコードリーダーがあり、QRコードをかざすと車に貼るQRコードシールがプリントされるという仕組みだ。その日は他の枠を購入しても新たにQRコードを発行しなくても済むので便利。ただし、スマートフォンでQRコードのページを開こうとすると、一瞬QRコードが表示されて別のページに飛ぶように見える。何回かやったけれどQRコードが消えるように見えてしまった。実はQRコードを表示した後にページのトップに移動するようになっているみたいで、落ち着いてスクロールすれば下に表示されているので安心を。

伊藤トレーナーとの交信にはスマートフォンを使う。手元には2輪用のBluetoothインカム LEXIN B4FMがあったので、これを試しに使ってみた。これは、ヘルメット内部にマイクとスピーカーを設置するもので、イヤホンと違い耳への圧迫感はない。LINE通話あたりで会話するのかと思っていたが、実際に使うアプリはDiscordだった。シミュレータと同じ系統だ。ゲーム文化が、リアルな現場の標準ツールにそのまま接続している。なお、LEXIN B4FMは直線距離で1500mはこの端末同士で通信可能なので、カートコースぐらいであればスマホを使わずに会話ができるかもしれない。

バイク用インカムをつけた。結構クリアに会話ができて良い

初めて4点式シートベルトを締める。湿度が高い。雨は止んでいる。

初の4点式シートベルト

1本目、ドライで慣らす

コースインして、まずは車とコースに慣れるためにゆっくり走る。車はGR86(ZN6)だ。この車に乗るのも初めてという、全ての初めてが重なった状況だった。

初の富士スピードウェイ&4輪走行

シミュレータで見ていた映像と、目の前の風景は違う。画像のディテールや奥行き感がしっくりこない。なんとなく同じコースだが、違うように感じる。シミュレータと現実をつなぐためのキャリブレーションが必要なのだと、走りながら理解した。

FSW初走行

おそらく、いくつかのコースで自分なりのキャリブレーションができれば、走ったことがないコースでも初見の解像度は上がっていく。今は、その「ズレ方」を観測している段階だと思いながら周回を重ねた。車はレンタルなので、無理はしない。1本目は何事もなく終了。

雨の2本目・3本目、3度のスピン

2本目と3本目は、雨だった。

雨の富士スピードウェイ 

走行を辞めることもできた。だが、わざわざ遠くまで来ているし、雨での練習機会は買おうと思って買えるものではない。どうせ自分はそこまで速く走れない。であれば、走るべきだった。雨の中の連続2本に出た。

1本目で何でもなかった場所が、何もしなくても滑る。特にコース後半で3回スピンした。

3本目に入る頃には、スピンに入る前の感覚が少し見えるようになっていた。完全には止められないが、修正の方向はつかめる。あとから聞いた話では、滑りながら斜めに前へ進ませるのが理想なのだという。滑りそのものを止めるよりも、滑りを管理する。雨では、滑るのが当然だからか。

「ここまでやってもいいんだ」

レコードラインのブレーキングでも滑った。

インカムから「ブレーキは一本内側で、ブレーキ終了時にレコードラインに戻ってコーナリング!」という指示が飛んできた。ヒール&トゥもまだスムーズではないし、止まることに必死で、ライン取りまで頭を回す余裕がない。「わかりました」と返事はしたが、いまの自分にできる気はしなかった。

ただ、確かに、ラバーが乗ったレコードラインよりも、その一本内側のほうが止まる。これは納得できた。

ストレートエンドで止まれないのが一番怖い。最初は手前から早めにブレーキを開始していたが、それでは止まりすぎる。雨は本当に難しい。それでも、最後の3周はブレーキングポイントを少しずつ前にずらしていった。

最終周は、指示通りに、ほぼドライと同じ場所でブレーキを開始した。意外なことに、クリップにはつけなかったが、曲がれてしまった。滑ってはいるが、曲がる。

「ここまでやってもいいんだ」

車を壊さないように、一般道での安全意識から自分の中で勝手に決めていた閾値が、確かに少し上がった瞬間だった。

今日の自己評価

午後の3本走行で、想定以上に消耗した。それでも、ポジティブに終われたのは大きい。

今日の課題結果
ライセンスの取得達成
コースに慣れることドライでの経験不足。次回に持ち越し
スピード感に慣れること達成
ヒール&トゥの確認シミュレータよりやりやすい
シミュレータ練習の再現次回ドライの時に検証
シミュレータとの違いの体感キャリブレーションが必要だと体感

「次にやるべきこと」が残っているが、毎回管理していこう。

帰り道、二重の虹

サーキットからの帰り道、空に二重の虹が出ていた。

帰りに見た2重の虹

同じ日、カリフォルニア在住の友人がインスタグラムに二重の虹を投稿していた。さすがに繋がっていないとは思うが、初めての4輪サーキットの初日が、虹で締めくくられたのは悪くない。

友人が投稿していた二重の虹@カリフォルニア

備忘:録音と、次の一手

サーキットで練習を重ねるなら、映像と会話を録音できる環境を作っておきたい。

特にDiscord越しのコーチングは、その場では返事をしているが、走りに集中しているので正確には覚えていない。後で聞き返せれば、自分のPDCAの精度がもう一段上がる。次回までに、Discordの録音方法と、車載動画との同期方法を調べておくことをタスクにする。

シミュレータと現実のキャリブレーション、雨の操作、ブレーキングラインの一本内側、閾値の話。今日は初日の経験としては十分だ。次は、ドライの富士でもう少し進歩したい。

次回は、ウェアなどの装備の選定・購入です。

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