この記事では、Ducati 1098Sレストアにおける消耗品交換の完了から、エンジン始動テストまでの記録を残す。使用したパーツ、作業の手順、そして始動テストの結果を正直に書いておきたい。同じく長期放置車の再生を考えている方の参考になれば。
パーツが揃った。ようやく、ここまで来た
Day5・Day6で交換作業を進め、必要なパーツがすべて手元に揃った。今回使用した消耗品と購入先を整理しておく。
| パーツ | 品番・製品名 | 購入先 | 価格(税込/当時) |
| エンジンオイル | Shell ADVANCE ULTRA 4T 15W-50 1L×4 | Webike | 12,175円 |
| ドレンボルト | AELLA AE-52008 | Webike | 4,030円 |
| オイルフィルター | K&N オイルフィルター | Webike | 2,420円 |
| クーラント | CCI LLC グリーン 2L | Amazon | 1,383円 |
| エアフィルター | K&N リプレイスメントフィルター DUCATI 1098/S 07-08 | ユニオン(楽天) | 9,986円 |
| スパークプラグ | NGK スパークプラグ MAR10A-J 4706 x2 | Traumauto」(トラウムアウト) | 7,346円 |

エンジンオイルを入れる
オイルの選択については、日本製高級オイルへのスイッチを勧める声もある。試してみたい気はするが、今回は始動確認が最優先だ。まず純正指定の状態でエンジンが動くことを確かめてから、その先の楽しみは取っておく。
選んだのは Shell ADVANCE ULTRA 4T 15W-50。今回は並行輸入ではないものを選ぶことにした。Webikeで1L×4本、4本購入で税込12,320円。ちなみに、D-EVOさんはアミダトレーディングさんの並行輸入物を使用されているようなので、並行輸入ものでも問題ない可能性はある。
ドレンボルトは AELLA AE-52008 に交換した。後々ワイヤリングできるよう、この形状を選んでいる。取り付けトルクは 20Nm [Oil cartridge M16x1.5 11Nm (10-12Nm) Engine oil on gasket]。舐めないように気をつけよう。

オイルフィルターは K&N を選んだ。純正フィルターは工具がかかりにくく、前回の取り外しでずいぶん苦労した。レンチで確実に掴める形状のK&Nにすることで、次回以降の交換が格段に楽になる。KTCのプラグレンチが無駄になってしまうが、利便性の方が上だ。D-Evoさんのブログも参考にさせていただいた。なお、Oリングへのエンジンオイル塗布はサービスマニュアルの指示通りだが、今回はフィルターケース内にもオイルを充填してから取り付けた。少しでも早くオイルが回るようにしたかったためだ。

現在はレーシングスタンドで立てている状態なので、チェック窓のどこまでが規定量かが分かりにくい。とりあえず中間あたりまで入れておいた。後に多すぎと判明したので、シリンジで抜いて調整した。抜くのは結構大変なので、スタンドに立てた状態での注入は入れすぎに注意されたい。

燃焼室内に少量のオイルを垂らして、クランキングをする
ここで一手間かける。
シリンダー内部がカサカサに乾燥した状態でいきなりクランキングするのは避けたい。エンジンの始動時が最もエンジンを痛める可能性が高いタイミングだ。10年以上眠っていれば、ピストンリングやシリンダー壁面の油膜はほぼ残っていない。そこでプラグを取り付ける前に、シリンジでエンジンオイルを少量注入し、クランクを手で数分回して馴染ませてからクランキングに入った。
このモデルは、セルボタンを押すと数秒クランキングして自動的に止まる仕様だ(前期型の仕様とされている)。連続して回し続けることができないため、何度かに分けてセルを回し、オイルが全体に行き渡るのを待つ。
エアフィルターを交換
エアフィルターも当然交換する。K&N リプレイスメントフィルター DUCATI 1098/S 07-08を選択した。走行距離は1万キロぐらいだが、10年放置の影響か汚れているように見える。

クーラントを注入する
クーラントは CCI ロングライフクーラント グリーン 2Lを使用した。

特に詰まりや漏れがあるわけではないので、作業としては入るだけ。エンジンが冷えた状態での注入なのでエア抜きは後日になる。エンジンが回り、水温が上がったところで改めて量を確認・調整する。
スパークプラグを取り付ける
スパークプラグは純正指定の NGK MAR10A-J 4706を採用した。取り付けトルクは 12Nm [Spark plug M10x1 12Nm (11-13Nm)]。

ネジ部にはスレッドペーストを薄く塗布しておいた(デイトナ(Daytona) Permatex(パーマテックス) アンチ・シーズ ネジ焼付防止剤 28g 税込/当時 949円)。
そして、点火へ
クランキングを何度か繰り返した後、いよいよイグニッションコイルを繋いでエンジンに点火を試みる。
かからない。
何度やっても、エンジンは目を覚まさなかった。セルを回すたびに応答はあるが、爆発には至らない。とはいえ、これは想定内の展開だ。10年も動いていないのだから。
燃料ポンプはイグニッションオンで動作音を確認している。燃料パイプ内にもガソリンが来ているので、燃圧の正確な数値は未確認ながら、正常に動作していると推定できる。スパークプラグも燃焼室外でセルを回してスパークを確認した。どちらも問題はないと仮定しておく。
クランキング中に「爆発→停止→爆発→停止」が繰り返されているようで始動しない。片方のサイレンサーからのみ煙(シリンダーに入れたオイルだろう)が上がる。これらが次の手がかりになる。
