フロントカウルを外さないと、エアクリーナーに辿り着けない
Day5で辿り着けなかったエアクリーナーの交換には、まずフロントカウルを外す必要があるようです。ぱっと見ると「そこまでやるの?」と思うかもしれないが、Ducati 1098Sはイタリア製。整備性よりも他に重要なものがあるのでしょう。
外し始める前に、無駄に悩まないために、どこで留まっているかを確認しておきましょう。
Ducati 1098Sのサービスマニュアルは、Ducati正規販売店などから入手しましょう。また、パーツリストはDUCATISM(リストはこちら)で確認できます。フロントカウルは正式には「ヘッドライト・フェアリング」と呼ばれる(本記事ではカウルで統一します)。

構造を確認すると、このカウルはヘッドライト・アッシーと一体でフレームに固定されており、上部2箇所、下部1箇所の計3点で留まっている。問題は下側のボルトだ。直接目視できない位置にあるため、六角レンチを正確に刺すのに最初は相当手間取る。ただ、不思議なもので、数回やれば指先が「角度」を覚えてくる。整備士さんが早く的確に仕事をこなせるのは、そういうことなんでしょうね。

バックミラーも外す必要がある
フロントカウルを取り外すには、先にバックミラーを外しておく必要がある。固定はシンプルで、裏側の2本のピンだけだ。構造的には単純なのだが、力の入れ加減が分からないうちは「壊れるんじゃないか」という感覚が邪魔をして、なかなか思い切れない。これもコツをつかめば、次第にスムーズに外せるようになる。

カウルが外れたところで、ついでにフロントフェンダーとリアフェンダーも取り外して洗浄することにした。長期放置だけあって、手が届きにくい場所の汚れはかなり蓄積している。パーツを外す手間はかかるが、清潔な状態で組み直せるのはレストアの気持ちよさでもある。

エア・マニフォールドが外れて、ようやくエアクリーナーへ
カウル類を取り除くと、エアボックスへ続くエア・マニフォールドにアクセスできるようになる。これを外せば、ようやくエアクリーナーを取り出せる。カウルひとつ外すだけでここまでの手順が必要になる設計は、普段の整備性を考えると素直に褒められたものではないが、それがDucatiという気もしている。
スーパーバイクなどのレースでは、ライトやミラーなどがないから、実は簡単に外せるということなのでしょうか?

スパークプラグの交換へ——後バンクはらくらく、前バンクは戦い
1098SはL型2気筒エンジンで、バンクが前後に分かれている。燃料タンクはDay4の作業ですでに外してあるため、後バンクのヘッドまわりへのアクセスは非常に楽だ。ほこりを払い、周辺の汚れをきれいに拭き取ってから、イグニッションコイルとプラグを外します。プラグレンチは付属工具でも手持ちのものでも問題ありません。後バンクに関しては、この後登場する前バンクと比べて拍子抜けするぐらいスムーズでした。
前バンクはラジエターが壁になる
問題は前バンク。
前バンクのイグニッションコイルは、ラジエターに阻まれて、そのままでは取り外せない。外すためにはラジエター下側の取り付けボルトを緩め、前方にスイングさせるかそもそも取り外す必要がある。下の写真ではわかりにくいかもしれませんが、バッテリーも外してスイングさせています。

ここにも罠が潜んでいて、エア・マニフォールドを付けたままではラジエターがスイングできない。つまり——プラグだけを交換するような場合でも、カウルを外して→マニフォールドを外して→ラジエターを動かして→ようやくプラグに手が届く、という手順になります。もっとスマートな手順があれば、ぜひ教えてほしい。Ducatiオーナーのあいだでは、何か定番の方法があるのだろうか。

レースをやるわけではないから、そう頻繁にプラグ交換をするつもりはありません。でも、いざやろうと思ったときのこの手間は、整備性という観点からは正直いただけませんね。でも、美しいバイクというのは、往々にしてこういうものなので、受け入れるしかない。
なんとかラジエターを動かし、前バンクのプラグを摘出した。状態を確認すると、全体的に少し黒ずんでいるぐらい。あまり回していなかったためなのか、あるいは長期放置の影響か。いずれにせよ、交換します。

ベルトの確認——エンジンを回して良いかどうかのジャッジ
外装を外す際についでにタイミングベルトカバーも外していました。スパークプラグとは逆で、前バンクはすんなり外れたのですが、後ろバンクはフレームが邪魔でパズルのようでした。

エンジンを回したらいきなり切れるという様なトラブルは避けたいので、チェックが必要です。ひび割れや目立った劣化はなく、今すぐ危険というレベルではないようでしたので、とりあえずの始動確認には問題ないと判断しました。ただ、公道に復帰した後はきちんとしたショップで交換してもらいたいと思っています。1098Sのタイミングベルトは消耗品であり、信頼性が命綱です。そして、タイミング自体も狂っている可能性があります。そのためにも、まず自走できる状態に仕上げて、ショップに持ち込める状況をつくらなければなりません。
次回は組み直しとセットアップへ
外す作業はここで一段落。カウル、フェンダー、エアクリーナー、スパークプラグ——状態を確認しながら、ひとつひとつ丁寧に外してきました。次回は新品パーツに交換して、エンジン始動準備を進めます。
次回:Ducati 1098S レストア記 Day7|エンジン始動テスト、そして
