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Ducati 1098S レストア記 Day8|インジェクターを洗う、選ぶ、換える

Day7の記事で触れたとおり、セルを回したときに気になることがあった。前後どちらかのシリンダーは回ろうとしているのに、もう一方はそうでない、という音の違いだ。感覚的なものではあるが、そこに何かがある気がしていた。

燃料ポンプは一応正常。ガソリンも入れ替えた。プラグも新品に換えて、火花が飛ぶことも確認している。バッテリーも新品で満充電だ。消去法で絞っていくと、疑うべきはインジェクターになる。

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今回は、別の作業から

前回までの流れで、外装とタンク、インテーク周りのパーツを取り外している。レストア期間中の保管が必要なため、先にこれらを仕上げておいた。高圧洗浄機で汚れを落とし、コンパウンドで磨いてワックスをかける。

Ducati 1098S 外装パーツ 高圧洗浄

最後に傷防止のマスキングテープを貼って保護した。地味な作業だが、後で後悔しないための準備だ。

Ducati 1098S 外装パーツ  マスキングテープで保管前処理

インジェクターを新品にするか、中古で済ませるか

このDucati 1098Sは古いバイクである以上、消耗品であるインジェクターを新品に換えるのが本来の正解だろう。ただ、そこに立ちはだかるのが単価の問題だ。

インジェクター【28040151A】は1個あたり約6万円(参考:webike)。海外サイトで探すと6万円を切るものもある。パーツナンバーから調べると、このインジェクターはMAGNETI MARELLI 805001830200と同等品のようだ。AUTODOCというサイトでは約2万円、さらに安いところでは1万円前後で出ている。この価格帯なら人柱になってみる価値があるかもしれない。ちなみにランボルギーニにも同型が使われているらしい。

Ducati 1098S MAGNETI MARELLI 805001830200

しかし、原因がインジェクターか判断できない状況で、2個分の出費を決断するのは難しい。そこでまず、オークションで中古インジェクターを調達することにした。落札価格は3,245円。インジェクター2個と燃料ホース付きだ。これで手持ちは合計4本になった。

Ducati 1098S インジェクターと燃料ホース

ただし、オークションの世界はノークレーム・ノーリターンが基本だ。手元にある現在のインジェクターも、新たに購入するものも、状態を自分で確認する必要がある。

インジェクターテスターを用意する

インジェクターを単体で動作させるためのツールを購入した。バッテリーに直結して通電させ、パーツクリーナーのスプレー缶を接続することで洗浄剤を噴射させる仕組みのものだ。Amazonなどで似たようなものがたくさん出回っているが、今回購入したのは燃料噴射 ノズルフラッシュ クリーナーアダプター ツール DIYキットセット (2,299円当時)。
なお、バッテリーの端子につけたり外したりすると、手が塞がれてしまうし感電の危険があるので、プッシュスイッチをつけた。

インジェクターテスター パーツクリーナー 洗浄セットとプッシュスイッチ

インジェクターを外す

まずインジェクターを取り外さなければならない。実際に観察してみると、コネクターのロック機構がよくわからない。サービスマニュアルにも外し方の記述が見当たらず、しばらく手が止まった。

いろいろ調べていくうちに、「なんでバイクに乗るのでしょう?」さんのブログ記事に行き着いた。コネクター部分の拡大画像が掲載されていて、外し方がようやく理解できた。止め金を引き抜く方向にスライドさせれば良かったのだ。

Ducati 1098S インジェクター コネクター ロック解除

インジェクター本体を抜くには、それなりの力が要る。高い燃圧がかかる箇所だから、そういうものだろう。

洗浄と選別

取り外したインジェクターをテスターに繋ぎ、パーツクリーナーを噴射してクリーニングを実施した。オークションで購入した中古インジェクターも同様に処理する。

インジェクターテスターパーツクリーナー 洗浄設置方法とバイクに設置しての噴霧テスト方法

その後、実際にキーオンによって燃料ポンプから加圧されたガソリンを流し込んで4本すべての噴霧パターンをチェックし、状態の良い2本を選んで使うことにした。トーナメントのような選別作業だ。500mlの透明なペットボトルが使いやすい。

一つ興味深い傾向が見えた。オークションで入手した中古セットも含め、前バンク側のインジェクターの方が劣化が進んでいるのだ(写真は左側が前バンク)。熱の影響なのかは確証がないが、1098Sの構造上、前バンクの熱環境が後バンクより厳しいことは想像に難くない。中古を買い足す際には、この点を頭に入れておく必要がある。

Ducati 1098S インジェクター  前バンク 後バンク

OリングはMARCオリジナル  マニエッティ・マレリ インジェクター Oリング (4個入り、2,112円)を使用。シリコングリスを塗布して交換。なお、MARCさんはオンラインショップを閉店しています(2026年4月情報)。

マニエッティ・マレリ インジェクター Oリング交換 シリコングリス

エアボックスとスロットルも清掃した

この一連の作業と並行して、エアボックスも取り外して清掃・プラスチックの艶出しなどをしている。スロットルも含め、インテーク系全体を通してきれいにした。エンジンのVバンク(Lバンクというべきか?)の間も同様に清掃とワックスをかけてある。

Ducati 1098S エアボックス 清掃

組み立て

組み立てで一番手こずったのは、スロットルワイヤーだった。エアボックスを外す際にワイヤーを外したのだが、戻すときに何度やってもスロットルホルダーに収まらない。格闘の末、なんとか収まったが、こういう細かいところで時間を使う。

スロットルケーブルの取り付け方法

振動と燃圧がかかる部位だけに、インジェクターを固定するネジにはねじ止め剤を塗布して締め付けた。

Ducati 1098S エアボックスにねじ止めを塗布

エンジン始動チャレンジ2回目

すべてを組み上げて、再始動を試みた。

かかった。

エンジンが目を覚ました。乾いた音が戻ってきた瞬間の達成感は、言葉にしにくい。安堵なのかもしれない。インジェクターが原因だったのかどうか、正確なことは言い切れないが、結果は出た。

動けるようになったので、次は止まる。ブレーキ周りに着手する。ベトナム旅行などのため、Day7からDay8は1ヶ月以上経っている。そして引き上げから4ヶ月が経過している。

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